| 花の身上書 |
| ス イ セ ン |
スイセンはスペイン、ポルトガル、地中海沿岸、北アフリカを産地とするヒガンバナ科の植物で、およそ30種類の原種がある。 スイセン誕生にまつわるギリシャ神話は有名で、学名の Narcissus ( ナルシッソス ) はこのギリシャ神話に由来するといわれる。また 紀元前1500年頃と思われるギリシャの遺跡にラッパスイセンの文様が見られ、詩人ホメロス、ソフォクレスもスイセンを詩に詠んでいる。この頃すでにスイセンが人々に親しまれていた証拠であろう。 30種もあるスイセンのうち、かなり古い時代にフサザキスイセンが小アジア、イランを経由しシルクロードを通って中国に伝わった。 現在、日本各地に自生し、親しまれているニホンスイセンは、このフサザキスイセンが中国からさらに海を越えてもたらされたもの。平安時代末期の色紙に描かれたスイセンが日本では一番古く、この頃に渡来したと考えられている。 室町時代にはスイセンが文学、絵画に頻繁に現れ、またこの時代に誕生した生け花の花材にも用いられている。江戸時代には陶器、織物などにもスイセンが描かれており、桂離宮の釘かくしの文様はとりわけ有名である。栽培も始まり、新春の花として広く庶民の間に定着した。今でも冬の花というイメージが強い。 ヨーロッパから、ラッパスイセンなど、春咲く大きな花や黄色いスイセンが日本に入ってきたのは明治になってからのこと。 現在、1万品種を超す園芸品種があり、1950年に作られ、1969年に改正された、 イギリス王立園芸協会の定めたルールで、 11 群とその他のスイセンの12種に分類されている。近年は日本でも外来品種が多く栽培されるようになった。 |
![]() ニホンスイセン/絵 蟹江 慶子 |
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