| 新 ゆ り 事 情 |
大輪の花、かぐわしい芳香、清らかな純白。冠婚葬祭はもちろん、プレンゼントの花束やフラワーアレンジに広く使われ、花屋さんの店先でも一段と華やかな存在のユリ。ことに近年、品種改良が進んで、大型のものから可憐な小型のものまで、花姿も色もバラエティに富み、また価格も手頃な品種が出回っている。 カサブランカに代表される、大輪で華麗な、香りの高い品種は、ヤマユリ、カノコユリなど「オリエンタル・ハイブリッド(またはジャパニーズ・ハイブリッド)」といい、人気があり、また、中国、日本などアジア原産のユリを元にしたスカシユリ系の「アジアティック・ハイブリッド」は、中輪、小輪で香りはないが、開花が早く丈夫で、扱いやすい。この2系統が園芸種の主なものであるが、最近は交配技術が進歩し、新たな品種が続々登場している。 |
![]() (可睡ゆりの園にて) |
ユリの町 新潟県堀之内町 豪雪地帯として知られる新潟県北魚沼郡の中央に位置する堀之内町は、ユリの切り花生産の全国シェア1位を誇る。堀之内町のユリ生産の歴史は戦後間もない昭和20年代に始まる。食料難時代の当時、周囲の反対を押し切って花の栽培に取り組むグループが組合を設立した。当初、西洋シャクヤク、ドイツスズランなどの栽培に情熱を注ぎ、その後、いくつかの品目に挑戦、次第に球根類へと移行していった。 昭和35年、組合員の滝沢久寛氏がスカシユリの交配で新品種を作出し「越後スカシ」と命名、以降、技術の高まりの中、数々の新品種を誕生させていく。 経済の成長につれて花の需要は年毎に増加し、球根を主体とした「花き産地」の素地が作られていった。昭和50年代、球根の生産過剰から、余った球根を使って切り花出荷を試みたところ好評で、切り花生産に切り替わっていった。 堀之内町のゆりは基本的には露地栽培。6月から11月の半年間におよそ1800万本の切り花を生産、出荷する。現在、120〜130品種を扱い、スカシユリでは当地開発の「紅の舞」の他「ポリアナ」など、また人気のカサブランカ、ル・レーブなどオリエンタル系も生産している。 豪雪地帯で、しかも夏場は最高35℃にもなる気象条件の中、栽培期間を伸ばし、平均出荷ができるように抑制栽培の技術を研究、「花き球根冷蔵施設」「JA集出荷施設」の建設などを進めてきた。「花き産業は国際化や新興産地の進出が著しく、厳しい状況にあります。ハウス栽培などを増やしたり、他品目を導入したりと将来を見据えた基盤整備に取り組んで、さらなる飛躍をめざしたい。」とJA堀之内町園芸農産課では語っている。 世界一大きなユリ『さくゆりシントシマ』伊豆利島から 「サクユリ」は日本の伊豆諸島だけに自生しているヤマユリの一種で、花、草丈とも世界最大。花の直径は25〜30p、高さは150〜200pにもなる。サクユリにはヤマユリの特徴である花弁に赤褐色の斑点がない。タメトモユリとも呼ばれるサクユリは、ヨーロッパに渡り、花の大きさ、斑点のない純白さを生かして、交配品種の名花「カサブランカ」を誕生させた。 伊豆諸島の中で最も小さく、人口約300人の利島(トシマ)、ツバキの段々畑に覆われた島のそこかしこに、夏になると大きな白いサクユリが咲き、風に揺られながら、あたりに強い芳香をふりまく。利島では、この野生のサクユリを選抜、交配を繰り返して園芸品種「さくゆりシントシマ」を開発、島の特産品として球根、切り花を生産している。 「昭和63年に品種登録されたシントシマは、国際花と緑の博覧会で名誉賞をいただき、年間およそ7万球を出荷しています。将来は10万球を目標に生産を増やしていきたい。」と利島村役場産業建設課では意欲を燃やしている。 |

(おおきな花を咲かせたシントシマ)
| 『ユリの花粉と薬効』 ユリの香りを嗅ごうと近づいて、黄色い花粉を体や衣服につけてしまった経験を持つ人は多いはず。「ユリは好きだけれど、あの花粉がどうもね。」という声もよく聞きます。 ユリの花粉は油分を含んでいます。衣服に付いてしまったら、水で洗い流したり、ブラシで擦ったりすることは厳禁です。セロテープで花粉を取り除く方法が手軽でお勧め。それでも駄目なら日光に当てて乾かします。 また、葉、花は切り傷に、根はやけどに、香りはホルモンの分泌を促すといった薬効も昔から知られています。 『ゆり根を食べる』 ヤマユリの根は古くから食用とされてきました。現在ではオニユリ、コオニユリなどの球根が食材として生産されています。高級料亭の和食料理というイメージですが、茶碗蒸しの具、酢の物、含め煮など、家庭料理としても利用してみてください。主な生産地は北海道。冷蔵ものが一年中ありますが、旬は冬。髭根を取ってひとひらずつ放して、酒を入れて下茹でするか蒸してから調理します。軽い苦味とほくほくした舌ざわりが特徴です。 |
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