絵 中島ゆかり

◆可睡ゆりの園◆


 初夏の野山を彩るゆり。かぐわしい香りを放ちながら、明るい陽射しの中にりんとして立つ清楚な姿は人々に夏の訪れを予感させる。 
 静岡県袋井市にある「可睡ゆりの園」。起伏のある15haの敷地には200万本ものゆりが植えられ、初夏を迎えるころから順次開花し、ゆりの饗宴が始まる。
 開園13年目の「可睡ゆりの園」は、回遊式の池、なだらかな山道、岩肌から流れ落ちる滝、日本庭園に瓦葺きの茶室などが配置された優雅なゆりの園。開園は花の時期の4月下旬から7月上旬まで。2ヶ月半の花のために1年間、ひたすら準備をしてその時を待つ。
 ゆりの種類は日本品種、海外品種を合わせて150種ほど。山に自生する原種は自然の中で咲いて欲しいとの願いから、ここに植栽されているのはいずれも園芸品種。
 入り口付近の即売所には大きいつぼみを付けた何種類もの鉢が並び、6月中は終日賑わいをみせているが、7月に入ると1週間無料開放して、名残の花を愛で、そのあとは次の年の花にバトンタッチするための土壌改良や植え付けの管理に入る…
 1997 Summer