| アメリカ出産体験記 西脇 知子 |
ヒューストンに来てから早くも一年が過ぎました。日本と違うことがいろいろあり、何から書こうかと悩んでいるうち病院に入院する機会がありましたので、それを書きたいと思います。 ■ヒューストンでの妊娠 こちらに来てすぐに、なんと妊娠!しました。主人の上司の奥様に相談し、日本語が話せる韓国人のキム先生に診ていただくことにしました。キム先生にかかるには一つだけ問題がありました。保険です。アメリカには日本の国民健康保険に相当するものもあるようですが、低所得者層の人しかもらえないようで、民間企業の保険に入ります。私たちの入っていた保険は、特定の医者しかかかることができず、キム先生はその中には入っていませんでした。普通の出産で5〜6千ドルらしいですが、今回は、日本からの祝金でなんとかなりそうだということで、自費で払うつもりでキム先生に診てもらいました。 ■入院 アメリカで出産のため入院する場合は、あらかじめ病院見学をするのが一般的なようです。しかし私は妊娠中毒症のため定期検診に行き、そのまま緊急入院したので、見学はできませんでした。結局、保険のことと設備の関係で、別の病院に移されることになりました。一度は乗ってみたいと思っていた救急車にまさかアメリカで乗るとは思いませんでした。アメリカの救急車は有料です。この時は20分ほどで約600ドルでした!高いですが、運転手以外に女の人が一人と看護婦さんが付き添ってくれました。 最初に運ばれた部屋は個室でした。一般的にアメリカの病院は日本よりきれいで、その部屋も一見ホテルのようです。全体がピンク系統でまとめられ、壁には絵が飾られ、テレビと電話も付いています。テレビでは、赤ちゃんの入浴の仕方など、病院独特のビデオも流されていて参考になりました。電話は国際電話の受発信もでき、大変便利でした。食事は前日に配られるメニュー表から選ぶことができ、おやつもありなかなかおいしかったです。 |

(テキサスチルドレンホスピタル)
| ■誕生 結局、入院した翌朝、このままでは危ないということで帝王切開で産むことになりました。今回は緊急手術でだめだったのですが、普通の帝王切開は夫が立ち会えるそうです。 さて、生まれてきたのは、960gの男の子でした。麻酔から覚めたときにちょっとだけ触らせてもらい、そのまま隣にある子供病院に運ばれていきました。身長と頭囲を測るかわりにポラロイドカメラで写真を撮ってくれました。 ■メディカルセンター 私たちが入院していた病院はメディカルセンターと呼ばれる医療の町の中にあります。ヒューストンのダウンタウンから車で数分のところにあるメディカルセンターは、73万坪あまりの敷地に14の病院(6,657ベッド)、2つの医科大学、4つの看護学校を含む41の医療機関があり、医者だけでも1万人、学生も1万人以上、その他のスタッフを加えると約5万人の人が働いているそうです。そして1年間に200万人以上の患者が世界中から治療に来ているといわれます。病院どうしは地下道でつながり、ヘリコプターとヘリポートを持っている病院もあります。 |

(テキサスチルドレンホスピタルの屋上庭園)
| ■テキサスチルドレンホスピタル 息子の運ばれたテキサスチルドレンホスピタルは全米でベスト3に入る小児科専門の病院です。息子はまず未熟児の集中治療室に運ばれました。朝夕の看護婦さんの交代時間以外の22時間はいつでも面会ができ、子守歌や両親の声が入ったテープの持ち込みや、写真撮影もできます。面会に行くと、担当の看護婦さんが様子を一通り教えてくれ、どんな質問にも親切に答えてくれます。車の運転ができず会いに行けなかった時は、お医者さんが電話で様子を教えてくれました。また通訳が必要ならボランティアの通訳を頼んでくれるという申し出もありました。感心したのは、このように患者をサポートするシステムができあがっていることでした。他にも、設備、医学用語などを解説した小冊子や、精神的、金銭的相談のカウンセラー、2週間に1度の医者による講演会、両親による親睦会などがあり、不安なときに孤立せずにすむようになっていました。 病院内には子供のための施設もいくつかあります。その中でアメリカらしいと思ったのはマクドナルドがあることです。マクドナルドは、メディカルセンターの患者の家族や通院する子供たちが安く滞在できる施設も運営しています。シャワー付きの部屋21に、共用台所、洗濯室があり、最長45日、1家族1泊15ドルだそうです。マクドナルド以外に民間の寄付とボランティアにより運営されているそうです。 |

(テキサスチルドレンホスピタルの屋外遊び場)
| 病院内には、親が泊まれるコーナーがあり、図書室、室内遊び場、屋上庭園、入院患者専用の遊び場もありました。遊び場はボランティアが運営しているようで、メディカルセンターのニュースには、電話の応対、売店の売り子、病人を病院まで運ぶ運転手など、さまざまなボアランティアの募集が載っていました。 最後に、アメリカに旅行する方は旅行傷害保険に入ることをお勧めします。たとえハワイにツアーで行くにしても。ちなみに私たちの息子の入院した病院は1日40万円でした! |
西 脇 知 子
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