シリーズ『私の庭づくり』

花育てを楽しむ
―松戸市松戸新田の清水さん宅―


(南側はプランターの段飾り)

 新京成線稔台駅前商店街を歩いていくと、松戸に向かう旧道にぶつかる。その信号のすぐ前、庭にいつもカラフルな花が溢れている家に気が付いている人も多いのではなかろうか。
 「子供の頃から花や木が好きでして…。しばらくは主人の転勤で地方のマンション暮らしをしており、思うようにできませんでしたが、5年程前にこちらに帰ることになって家を建て替えてから熱心にやり始めました。」と奥様。
 清水さん宅の庭には様々な草花や樹木があり、種類は多すぎて数え切れない。
 「時々尋ねられるんですが、自分でもわかりません。珍しいものがあるとつい手が出て、どんどん増えてしまいました。」
 転勤先の九州から持ち帰ったというフリージアや雲仙ツツジも花を咲かせている。
 「特に月下美人は大きくなりまして。7月には見事な花が咲きます。一番多かった時は一晩に9個も咲きました。昨年は9月にも咲いたんですよ。全部で20個以上咲いたかしら。」
 寒い間は室内に置くが、花の前には庭に出す。
 「夜中から明け方にかけての数時間ですが、ご近所の方にも楽しんで貰っています。」
 上手に花を咲かせる清水さんだが、「みんな自己流です。何年か失敗をくり返して、水の好きなもの、乾燥が好きなものなどがやっとわかってきました。大事にし過ぎても、面倒見が悪くても駄目なんですね。子供を育てるのと同じです。」
 体が弱く、小さいときは庭に出ると叱られたという奥様。故郷の長野では春を迎えると桜、ツツジなどが一斉に花開く。それがとても嬉かったという。
 「きっとそんな記憶が今に繋がっているんでしょうね。」


(玄関も花で一杯)

 何事によらず凝り性という奥様。かつてはパンやケーキ作りが好きで、教えていたこともあったというが、今はひたすら花に夢中とか。
 「仕事もしておりますし、寝る時間を削らないとできないですが、『水をやらなくちゃ…』と思うと、早起きも平気です。やっぱり好きなんですね。庭いじりを始めると、食事の支度も後回しにしてしまいますから。ストレス解消法だと思ってか、主人も子供も諦めていますよ。わたしが出掛けるときは主人に、二人で出掛けるときは子供に水やりを頼んでいきます。ですから、家族揃っての旅行はできません。」
 土も毎年新しくすると増えてしまうので、なるべく掘り返して日光消毒し、再利用している。
 「新しい土と混ぜていますが、こぼれた種から思わぬ所に芽が出たりします。スミレなどは何年かすると原種に戻ってしまうんですね。」
 挿し芽で増やしたり、こぼれ種で自然に増えたり、球根も毎年増えて、「何時の間にか庭が一杯になってしまいました。お友達にもずいぶん差し上げています。お年寄りから若いカップルまで、通りがかりに声をかけてくださる方もあって…。喜んでいただけるとそれだけで嬉しくなります。」
 草花は冬を越させるのが大変。ベランダに小さな温室を作ったり、部屋に取り込んだり。
 「ヒートを使うようになってずっと楽になりました。ヒートは寒い間掛けっぱなしで、水やりも上からできますので。」
 「ゼラニウムなどは1年中咲いていますが、やはり春になるとスミレ、チューリップ、デイジーなどが順番に咲きますし、楽しいですね。今年は八重と黄色のマリーゴールドをたくさん増やしました。もう少しで咲きます。亡くなられた友人の好きだった赤い花手毬も思い出の花ですから咲かせ続けたいし、そのほかにもアリッサムを垂れ下げたい、白いムスカリが欲しい…と、どんどん欲が出てしまいます。」


(土づくりも自分で)

 とはいうものの、旧道の拡幅計画がすでに決まっており、そのため庭が削られてしまう。
 「半分位になってしまうんですよ。あまり増やしてしまうと処分に困ると思うんですが…。
 祖父の代からの樹木もあります。交通量が多いところなので、少しでも排気ガスを避け、酸素を供給してくれると思ってきましたが、それも抜くことになるでしょう。残念ですが仕方ありません。そうなってもなんとか工夫して、ベランダやフェンスを使って花や緑を絶やさないようにしようと思っています。」

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