シリーズ『私の庭づくり』

花のあふれる暮らし
ー松戸市馬橋の田中さん宅ー

 グリーンダイナミクス社のある新松戸から南へしばらく行くと、玄関前にも窓辺にもフェンスの上にも、色とりどりの花が咲き乱れる家が目に飛び込んでくる。松戸市馬橋の田中さんの家だ。 「6年前に家を建て替えてから、花を飾り始めたんですよ。」 
 ヨーロッパの街並みに見かけるような花のあふれた家が好き、という奥様の要望で新しい家は洋風建築に。
「敷地が歩道に面して長く、横長の家になってしまうので、塞いでしまうと寂しい。通る人に楽しんで貰おうと、窓を大きく取って、外に 向けて花をたくさん置くようにしました。見知らぬ方から『いつも楽しみにしています』とか『ありがとう』とか言われると嬉しいですね 」 と奥さま。
 田中さん宅は、外側だけではなく、部屋の中も花いっぱい。テーブルの上はもちろん、食器棚や本棚のわき、階段の踊り場などに、種類も彩りも数えられないくらい溢れかえっている。
 「夏なら涼しげにとか、食堂、居間、子供の部屋など、その部屋の特徴に合わせてアレンジして飾っています。」 とはいっても、一年中花を絶やさないというのはなかなか大変なこと。「種を蒔いて育て、花を咲かせるのは難しいし、時間もかかります。それにその間は花がなくて寂しいでしょ。ですからわたしは、間があかないように、頻繁に園芸店に行って好きな花、変わった花、彩りのいい花を見つけては購入して置いているんです。毎日決まってジョギングをしている方などから褒められたりすると、もうやめられませんねえ。」 

(玄関前のアレンジは立体的に)
 田中さん宅の前の道は新松戸の中心街に向かう交通量の多い道。すぐ前には信号がある。 「信号待ちで止まっている車は、必ずといっていいほどこちらを眺めていますね。時には目が合ってしまって、会釈されることもあります。 脇見運転で事故などを起こさないでほしいですが、花も見ていただけて喜んでいると思いますよ。」
 はじめは文句を言っていたご主人が、今は一番の理解者とか。 「いつ頃からか、咲き殻を摘むのは主人の仕事になってしまいました。出勤前のひととき『綺麗だよ』とか『ご苦労さん』とか、花に語りかけながら咲き殻を取り、帰ってくると背広も脱がずに、また取っています。一時間ほどで大きなナイロンの袋が一杯になります。花を摘みながら道行く人と話をするのも楽しみのようで、なかなか家に入ってこないんですよ。」と、奥様は嬉しい悲鳴をあげる。「今では主人の方がエスカレートしてしまって肥料や消毒剤なども含めるとかなり費用もかかり、無駄遣いかと思うこともありますが、花を仲立ちに夫婦の会話が増えました。夫と一緒に四季折々の花の名所を訪ね歩いたりと、共通の趣味ができてよかったと思っています。」
 成人した息子さんと娘さんの部屋にも、ベランダや階段にも花、花、花。
 花を見ると心が安らぐ。近頃は田中さんのように、家の内外を花で飾る人が増え、町の花屋さんにも美しい鉢植えがたくさん並んでいる。
 「でもねえ、花盗人がいるんですよ。しかも一度にごっそりと。」                            
 昨年盗まれた時、ご主人が立て看板を出した。そうしたら手土産をもってお悔やみに来てくれた人がいたとか。
 「外側には取られても惜しくない花を置くようにしています。暗くなってからトラックでやってきて根こそぎ持っていってしまうので、プロの仕業だと思いますよ。」
 印刷会社を経営するご主人の補佐で家をあけられないという奥さまのもう一つの趣味は、ガラス窓や家具など、家の中をピカピカに磨き上げること。
 「毎日磨きます。水やりと掃除で午前中は忙しい。でも、磨いた後、ガラスに映って花が一段と美しくみえるととても嬉しくってね。」 


(歩道沿いに花が咲き乱れる)

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